産婦人科女医の独り言

つぶクリ院長のつぶやきです。ためになる保証はありません。

がんばれ受験生


(これは・・・?)

寒いですね・・・

寒い時期ですが、受験の時期でもあるんですね。

当科的には、

「受験日に生理が当たっちゃうので、生理をずらすお薬をください」
という人(多くは親子で来院)が増える時期です。


↑これは、あんまり(っていうか滅多に)言わないですが。

そういうかたの多くは、
「生理痛がひどいから試験に差し支える」
「生理の時に眠くなるからずらしたい」
という理由で、ずらしたいようです。

ふむふむ(゜_゜>)

それはうなづけるのですが、

「生理移動」というのは、基本的に

『最終生理日がわかっている人』かつ


『生理が順調に来ている=次回の生理日がおおよそ予測できる人』


しかできないのです〜(^_^;)

なので、
私「最終生理日は?」
ずらしたい受験生「・・・」
私「せいりび・・・」
受験生「たぶん・・先月の終わり・・・」
とか、
私「次の生理のくる予定日は?」
受験生「・・・」
私「次の・・・」
受験生「生理不順なので、分かりません・・・。」

・・・と、いう会話ではなかなかキビシイものがあります。

それから、「生理をずらす薬」=「ホルモン剤を飲む」
ということです。 軽度なことが多いですがホルモン剤の副作用として、

・吐き気
・むくみ
・眠気
・食欲亢進(あるいは低下)
 

などが、出現する 可能性がある ので、
「生まれて初めてホルモン剤を飲む」のが受験直前になってしまうかたは、あまりお勧めしません。

・・・と、私は考えています。(ここは、医師によっても考え方は違うでしょうけれど。)

男子と違って、女子は「生理」という重荷(?)を背負って生きているので、

応援は惜しまずしたいとは思っておりますです。


戌年だけに・・・。

戌年だけに・・・。

平成30年になりました

新年明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

よろしくお願いされても、医院(ましてや産婦人科)にご縁があるのは、あまりおめでたいことではないでしょうから、

おめでた(妊娠)またはがん検診くらいのご縁がいいのではないでしょうか・・・

などと考えながら・・・「逃げ恥」を観ながら、これを書いています。

今年が皆様にとって、より良い年になりますように。


追伸;当院の年明けは、一月五日(金)になります。
年始からのさいたま市健診は、完全予約制となりますので、予約をおとりの上ご来院下さい。

メリークリスマス

イブです

正確に言うと、クリスマスイブです

クリスマスとは、親しい人とおいしいものを食べる

エスキリスト様のお誕生日です。

そんな、昔の外人(偉い人)のお誕生日、

皆様いかがお過ごしでしょうか?


私はですねえ、

腰痛*を抱えつつ、年賀状に一言添える。という作業をしております (涙)

*ソファーを持ち上げたところ、腰痛(筋肉痛)が出現。


さてさて ちょっと早いですが、今年一年お世話になりました。

今年も、恙無い一年だったことに、心から感謝申し上げます。


今年の医療界の話題は・・・

インフルエンザワクチンの不足

新潟市民病院が、ブラック企業大賞2017業界賞受賞

当科的には、

無痛分娩での事故が複数件報道される
・・・などでしょうか。
(その他、子宮頸がんワクチンとか梅毒患者の急増とかもありましたが。)

一般の方は興味はないでしょうけれど、

研修医制度が少しずつ変わっていったり、
専門医制度が新しく始まったり、

我々の業界も、変化があります。

それが、有益(患者さんのためになったり、医学の発展に寄与したりする)かどうかは、あと10年経たないと判断できないでしょうけれど、
いい方に変わっていけばいいかなぁ。と思う師走です。

当院も、年内の診療はあと三日を残すのみとなりました。

この場を借りて・・・

今年もお世話になりました。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。


<おまけ 浮かれるぬいぐるみ達>

あっという間に・・・

いやぁ、もうだいぶ治ったのですが、一時期声が出なくなって、

まるで

天龍源一郎 みたいな声

の頃がありました。

(その時、来院されたかた、お聞き苦しかったでしょう。すみません・・・)

その後、

もんたよしのり みたいな声

の時期を経て、

現在、椿鬼奴 みたいな状態です・・・

皆様も、お体ご自愛ください。

それにしても、つい先日まで暑かったというのに、あっという間に冬になってしまいましたねぇ〜〜〜


〜おまけ カバ美さんからのお知らせ〜

注・でも、診察受付した方に限りますけれども。オホホ

追伸:年末年始の休診は、12/28〜1/4となります。

今年は、曜日の関係で、例年よりも長い休診期間となっております。

来院をお考え・ご予定のある方は、早めのご来院をお願いします。

私的デスノート


(今年も、この季節が来たのかぁ・・・早いなあ。。。)

ネットの情報があふれている今日、知らないことを調べることは簡単です。

スマホを フフフ〜ンと操作するだけで、検索できますからね。

しかし奥様! その情報、正しいかどうかの証拠ありますか?

一つ言えるのは、疾患(=病気)のことを調べるのには、大学病院やその疾患の公式な研究機関のHPの情報が一番正しい。ということです。

個人のブログや、「医療分野に詳しい」ジャーナリストの書いた記事は、玉石混合です(間違った情報も含まれていることがあり)。とっつきやすいことが多いのですが・・・。

テレビを見たり、ネットニュースなどを読んでいて、「この記事は正しくないなぁ」とか、「誤解を招きそうな記事だなぁ」と思うことはよく!あります。
ですから、(特に)ネットの情報を読むときには、眉毛に唾を少々つけて読んで欲しいと思っています。

私がこれまでに「デスノート*に書きたい!」と思った言葉を挙げてみます。

#デスノートとは・・・。名前を書いた人間を死に至らしめることが可能な死神のノート。同名の人気漫画の中に出てきた。


1.「プレ更年期」
 更年期、とは閉経前後に起こる、エストロゲンの減少によって引き起こされる不調をいいます。50歳前後が平均です。
その『プレ(前)』なんか、無い!!!
40歳前半で、生理がちゃんと来ている人の不調は・・・・・

「加齢」。

または
疲労」。

PMS月経前症候群の可能性もあり)
なのです! 「プレ更年期」という言葉を作った人の名前も、ぜひデスノートに記載したいくらい。大きめにね。

 話がちょっとずれますが、TV-CMで、『40歳からの更年期・・・』みたいなことを言っていますが、
40歳前半で更年期のことは、かなり少ないです。(月経不順の方はまた話が別。)
特に、生理がきちんと来ている人が更年期であることは、ほぼ無いと言っていいでしょう。

2.「マタ旅」
これについては、以前当ブログで書きました(「またたび。」http://d.hatena.ne.jp/noricli/searchdiary?word=%A5%DE%A5%BF%CE%B9&.submit=%B8%A1%BA%F7&type=detail
妊婦さんの状況というのは、「一寸先は闇」なことがあります。脅かすわけじゃないですが。
旅先では、思ったより歩いてしまったり、食べ過ぎたりして、体調を崩すことがよくあります。これは妊婦さんに限ったことではありませんが。
しかし、妊婦さんだと、より心配になっちゃいますよね? 特に夜中に・・・
前にも書きましたが(たぶん)、

「夜中に、一見さんの妊婦を診てくれる病院は、かなーり少ないですよぉ〜」

そして、「かなーり少ない状況」は、以前よりも悪化している地域もあるのでした。。。

3.「ピルに対する根拠なき迷信」
避妊とか
生理痛とか
に、ピルを勧めることはよくあります。
たいていは前向きに聞いてもらえるのですが、たまに、
『ピルを飲むと、不妊になりやすくなるって聞いたことがあるのですが』と、質問されることがあります。

・・
・・・そんなことは、絶対ありません。
よく考えてください。

「そんな薬、産婦人科医である私が勧めるとでもお思いですか?」

つらつらと、おもいつくままに書いてきましたが、
時代が変わっても、産婦人科をめぐる環境はあまり変わらないんだな。とがっくりした私でした。

(と、いうか、むしろ悪化している気が・・・・)

二週続けて台風の週末でしたが、みなさまお体に気をつけて週明けに望んでくださいね)

*業務連絡

自称「秋の・検診ブーム」を迎えました。
子宮がん検診希望の方も、続々と(?)来院されています。
当院受診をご希望の方は、ぜひ予約をおとりの上、御来院ください。
(そんなわけで、ただいま予約がとりづらくなっております。予約枠増やしたけど・・・完全予約制ではないですが、予約がないと待ち時間は長くなっておりますのでそのつもりで御来院ください。)

コウノドリ

テレビドラマが、また始まりますよ〜

(日本産婦人科学会が推奨する名ドラマです)←本当

コミック単行本の、最新刊では、冒頭に悲しい話が出てきます。

羊水塞栓 です。

羊水塞栓とは、羊水が母体血中に混入することにより、1.羊水中の胎児成分による肺内小血管の機械的閉塞 および 2.アナフィラキシー様ショック が起こり、それにより全身状態が悪化する疾患です。

症状をざっくり表現すると、
呼吸が苦しくなり、そして
出血が止まらなくなり、どんな治療にも反応が悪くなります。
冗談ではなく 『蛇口から水がじゃーっと出る』 ごとく出血するのです。

つまり、致死率が高い。2010年の産婦人科学会誌には60-80%とありました。

羊水塞栓を起こした妊婦を救命するには、

全身管理(呼吸や血圧の確保)

輸血

などがあります。

残念ながら、羊水塞栓の予測は、難しいです(ほぼ不可能)

リスクの高い条件として、
帝王切開』や、『羊水過多(羊水が多いこと)』が言われていますが、そうゆう妊婦が全て羊水塞栓になる訳ではなく、よく分かっていないのが現状です。

幸い、私は遭遇したことはありませんが、
ある程度大きな病院の産婦人科には、『○年前に、羊水塞栓があってさ〜』と、語り草になっていることが時々あります。

つまり、それくらい低い頻度ってことです。(1/2万〜3万分娩というデータあり)
日本の年間分娩数が、約100万ですから、年間の羊水塞栓の数は、33〜50人ということになります。

原因が分かっていないのですから、予防法ももちろん分かっていません。

このように、お産にはまだ解明されていないことがたっくさんあります。
そして、産科の恐ろしさは、「秒単位で病状が変化する」オソロシイ疾患がいくつかある。ということです。

ほとんどの妊婦さんは、何事もなく・元気な赤ちゃんと一緒に 家に帰ってくるのですけれど、
上記に書いたように、オソロシー病気もあるので、
「出産は、奇跡だ。」という コウノドリ先生の持論(?)には、激しく同意するのです。

お産は、コワイノヨ〜

(だから、分娩に携わっている先生や助産師さんなどなどは、マジリスペクト!なのです。皆さんも、リスペクトしてあげて〜〜〜〜〜)