産婦人科女医の独り言

つぶクリ院長のつぶやきです。ためになる保証はありません。

そうは問屋がおろさない。

( ↑ 本文とは、全く関係はありません)

近年は、ネットの発達に伴い、情報化社会であります。

氾濫する情報のせいか、最近の患者さんの中には「私は、○○だと思うので、●●の検査/処方をしてください」という方も散見されます。

調べてきたことは、えらいと思いますが、
それをアピールすることは、 諸刃の剣 なんです。それを分かって言っている方はすくないんだろうなぁ〜〜〜

良い点;
 自己診断(「○○だと思う」)が正しければ、自分の病気/状況に対して下調べしてきたことになり、理解が早い

悪い点;
 自己診断が間違っていた時に、軌道修正に時間がかかる
 医師は、患者の主訴(症状)から診断をつけていくので、正しい診断に至るまでの脇道が増える
 更に、自己診断が間違っていた時・それが認められない時に、「自分の要求を聞いてもらえなかった」などの不満につながる

など。

ひと昔前の、ちょっと気難しいお医者さんに「風邪薬を下さい」と言って、 『風邪かどうかは誰が決めたんだ!』 と叱られた。という話は聞いたことがあります。

なので、下調べするのは良いと思いますが、「だから●●して欲しい」と言っちゃうのはどうかと思うのです。

診断をつけることと、それに対する検査・治療を考えるのは我々の仕事ですから。


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最近は、(当院だけなのかは分かりませんが)「月経移動希望」で来院される方がかなりいらっしゃいます。

中用量ピルを内服することで、月経を ある程度 コントロールすることは可能です。

ただ、薬と言うものはなんでもそうなのですが、「メリット」と「デメリット」(副作用とも言える)があります。

「メリット」が「デメリット」を上回る場合にのみ薬剤を投与・処方するわけです。

副作用を起こす可能性が高いと判断した時には、薬は使いません(アタリマエ)

ピルを飲むのがハイリスクと思われる方が、月経移動を希望された時にお断りするのは、以上の理由によります。

また、薬と言うのは、人によって反応(効果)に違いがあります。
それは、体重だったり、体質だったりと、理由はいろいろですが、同じ薬を投与しても思うような効果が得られない時も多々あります。

そのため、月経移動目的に中用量ピルを処方しても、予定通りに月経が移動しなかったりすることがあります。


小難しいことを書きましたが、月経移動を希望しても100%期待にこたえることは無理なのよ。ということを言いたいのです。

また同じことですが、「●●して欲しい」という希望があって来院されても、「そうは問屋がおろさない」となることもあるので、分かって頂きたい。

話はちょっと違いますが・・・月経は、確かにうっとおしいものですが、「神様が決めた決まり」なのですから、そんな面倒くささもたまには我慢が必要じゃない?と思うのは、昭和生まれのたわごとでしょうか。

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*一部の熱狂的なファンに だけ 送る、今月のご衣装

・・・違った意味で、寒くなった。かもね・・・