カイザーに呼ばれました
(分かりやすく言うと;「緊急帝王切開の助手をしてくれ。と依頼があったので助手をしてきました。)
カイザー=帝王切開 は、お母さんのお腹を切って、赤ちゃんを取り出すという・・・ 単純明快な 手術です。
産婦人科医になったら、皆ができなくてはならない手術です。
麻酔は、腰椎麻酔(下半身の痛みを取る方法)で行うことが多いです。
主義としては 単純明快 ですが、正常分娩(経腟分娩)に比べて、どうしても人手が多く必要になります。
説明すると、、、、
・術者
・助手(難しい帝王切開だと、第一&第二助手が入ることあり)
・機械出し看護師(よく、ドラマで、「メス!」と言われてメスを出してる人のことです)
・外回り看護師(手術室内にいるが、清潔状態になっていなくて、手術の雑事をしてくれる看護師のことです)
・ベビーキャッチ(お母さんから生まれた赤ちゃんを受け取って、きれいにしてくれる看護師・助産師のこと)
・(大きな病院だと)麻酔科医
これが、正常分娩だと、二人で済みますから、だいぶ大がかりになります。開業医だと、どうしても人手が足りなくなりがちなので、「緊急帝王切開」が決まると、時々私のようなロートル(意味が分からなかったら、ググってみよう!)にもオファーが来ることがあるのです。
久しぶりの帝王切開でしたので、「忘れてたらどうしよう?」と心配しましたが、始まってみたら大丈夫!手が動いたのでホッとしました。
開業前までは、毎日のように行っていた手術だから、体が覚えてるんだなあ・・・と思ったら、
「青春をカイザーに捧げたのか?私。」と思えてきて涙がにじみました・・・笑
↓ 記事とは関係ないですが、座産の土偶です。
このように(?)、出産とは大仕事です。
周りが大仕事なのですから、出産する妊婦さんにとっては、「一世一代の大仕事」なのは言うまでもありません。
出産前だって、定期的に妊婦健診に行かなきゃいけないし・・・採血とか内診とか嫌なことされるし・・・
でも、赤ちゃんが元気に生まれてきてくれると、嬉しいのです。
他人の私たちだって、元気な産声を聞くと嬉しくなっちゃいます。
漫画・ドラマ「コウノドリ」で、主人公の産婦人科医が、「お産は、奇跡」と言っていたのは真実だと思います。
話は非常に飛ぶんですが、
だからね、こんなに大変な思い(お母さんはじめね)な思いの中で生まれてきた命を、粗末にすることは許せません。
自分の命はもとより、他人の命を軽んじることは許しません。
もしも、この世から消えたくなってしまったならば、あなたが生まれたときに立ち会ったスタッフ全員分の許可(押印)をもらってからにして欲しい。
私は、ハンコ押さないけど(当たり前)。
もしも、この世から消えたくなってしまった人がいたら、その人が生まれた瞬間を見せてあげたいなあ。と思いました。
<今月のコバ様>
*あっ 当院は、分娩・帰省分娩の妊婦健診を行っておりませんので、悪しからず。