さいたいけつ
昔むかし、ある国に一人の踊り子がいました。
その子の踊りは、観る者の心を奪うような、華麗な踊りでした。
その踊り子に、隣国の王子(しかし、人質になっていて・王位継承位が低い)が、恋をしました。
そうこうするうちに、いろいろラッキーなことが重なり、王子は王様になりました。
そして、二人の間に、愛らしい赤ちゃんが生まれました。
踊り子が生んだ赤ちゃんは、男の子でした。
生母(ここでは踊り子)は、王様の愛情は受けていたのですが、いかんせん身分が卑しい。
すなわち、踊り子の生んだ男の子は、冷や飯食いの王子でした。
苦労の連続でしたが、母子二人で頑張って生きていました。
そして、さらにすったもんだや、いろんな大人の思惑があり、
踊り子の生んだ、冷や飯食いの王子が、王様の地位につくことになったのです・・・・
その王子の名前は、政 といいます。
知っている方もいるかもしれませんが・・・そうです、この王子が、のちの 『始皇帝』でした。
「皇帝」というだけでも尊い名前なのに、「最初に皇帝になった、『始皇帝』」なのですから、
そりゃもう、絶大な権力があるわけです。
手に入らないものは、無いといってよいでしょう。
が、しかし、古今東西 いまだ誰一人として手に入れていないものがありました。
そう!
「不老不死」です。
始皇帝は、不老不死の秘薬を探させるため、徐福 という者に家来とお金を持たせて旅に出しました。
その徐福は、東方に船出をし、その地の王となって、始皇帝のもとには帰ってきませんでした。
(一説には、日本に住み着いた、という伝説があります。佐賀県、三重県、和歌山県などが有名で、徐福ゆかりの神社があります。)
つまり・・・
『権力を誇る始皇帝ですら、不老不死は手に入れることができなかった』
という訳です。
話は変わりますが、古今東西 入手不可能な「不老不死」。
誰もが望むものでしょう。(成功したシャチョーなんかは、体を鍛え始める人多いですものね。)
今日でも、「なるべく若くみられたい」「なるべく長生きしたい」という欲求に、現代の医学で応えようとして、いろいろな試みがなされています。
アンチエイジング(の化粧品や食料品)、サプリ、保険のきかない医療?行為など・・・
今回、「臍帯血を使った再生医療」を無届で行った。として、数名の逮捕者が出ました。
これは、主に二つの問題があります。
一つは、「本来、届を出してから行われるべき医療行為が、無届で行われたこと」。
二つ目は、「効果が明らかではない再生医療が、行われたこと」
・・・です。
逮捕の根拠となったのは、一つ目の内容によると思われますが、
二つ目のこともかなり問題です。
「効果が明らかではない」すなわち「ひょっとすると、健康を損ねる恐れがある」行為をやっちゃったということですから。
もはやそれは、医療行為ではないです。
始皇帝ですら手に入れることができなかった「不老不死」、これがいくら21世紀だからといって、「お金さえ出せば(ある程度は)手に入る」と考えて、怪しげな「健康食品」や「保険の認められていない医療?行為」を求めるのは、
愚の骨頂だと思います。
(過日亡くなった、フリーアナウンサーも、今回逮捕された医師のクリニックで、怪しげな治療を受けていたという噂ですが・・・本当のところはどうなんでしょうね。知る由もないですが。)
「美と健康」は、地道な努力(節制した食事と 適度な運動)でしか得られないと思うのですが。
皆さんも、「アヤシげなもの・医療(?)」には気を付けてくださいね。