産婦人科女医の独り言

つぶクリ院長のつぶやきです。ためになる保証はありません。

えぼらー

今日は真面目なお話。

エボラ出血熱の話題です。

みなさんは、どれくらいご存知ですか?エボラ出血熱について。

それは、エバラ焼肉のたれ。だ!

江頭です。大きな写真なかったの・・・


え〜では気を取り直して、エボラ出血熱

エボラウィルス↓によって引き起こされる感染症のこと。

ちなみに、「エボラ」とは、初めて発見された地域を流れる川(@スーダン)だそうです。

致死率は、なんと 50 - 90% もあるそうです!

自然宿主(エボラウィルスを持ってる野生動物のことね)は、コウモリ。と言われていますが、まだ確定していません。

ヒトは、週末宿主だそうです。

血液・分泌物・排泄物・唾液などを介して感染し、その感染力は非常〜〜に強いです。 ←ここが怖い点(1)

潜伏期間は、7日程度と言われていますが、3日〜3週間という説もあります。

症状;発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐、下痢、腹痛。 進行すると全身に出血が見られ、吐血・下血も見られる。

現在、まだ治療薬やワクチンはなく、対症療法だけが治療法となっています。 ←ここが怖い点(2)です。

確固たる治療法がないのに、致死率が高いってことは、最強・最悪の感染症と言って良いでしょう。

治療法がないということは、「感染の予防」が、唯一・最大の対策であることは、、誰の目から見ても明らかかと思います。

幸い、日本は島国であり、エボラ出血熱の流行地(西アフリカ)からは遠く離れているから大丈夫・・・・・・・・・・・・・・

などと思ったアナタ、


あま〜〜〜い!


アメリカのおみやげのお菓子よりも、もっとずぅっ〜と


あまーーーーーーーーーーーい!  (゜o゜)


交通手段の発達などにより、ヒトの移動範囲は驚異的に広がっています。

テレビでもよく見かけますが、

「こんなところに日本人が!?」みたいなへき地にだって日本人が住んでいたりします。

そんな人たちが、お里帰りをすることもあるでしょう。

また、
「そんなところに行くの〜〜」と思われがちな辺境にも、旅行ツアーが出ているような時代です。

日本人の移動範囲のみならず、
エボラ出血熱の流行地からやってくる人もたくさんいるかも知れません。

その中には、
エボラ出血熱の患者(そうとは知らずに)と接触したことのある人が混じっているかも・・・・

スペインやアメリカでも、複数の患者が発生しています。
スペインとアメリカなんて、日本人が山ほど行っていますよね?今でも・・・

上記のことから、私は非常に心配(ビビって)しております。

更には、エボラ出血熱疑いの患者がいたとしても、現在日本で検査できる施設はありません(海外へ送って検査してもらうしかない。。。。。時間かかるじゃん!)。

そして、日本で対応できる医療機関はかなり少ないです。
具体的には、特定感染症指定医療機関(3施設、8床)、第一種感染症指定医療機関(44施設84床)だけです。

合計92床・・・・これって、「疑い症例も入院させて封じ込め」なんて絶対無理な数です。


お分かりいただけたでしょうか。今現在 既に瀬戸際にいるであろうことを。


だからね、政治家の皆さん。
お金の使い方がオカシイ大臣をいぢめている暇があったら、
早急に対策決めてください。とお願いしたい。

「今日から21日間出入国禁止」とか、大ナタをふるわないと、エボラ出血熱は確実に国内に入って来ますよ。

その時は・・・逃げないで下さいね。政治家の方々。

*ミニ知識。
「検疫」の英単語は、quarantine.

これは、イタリア語から由来しているのだそうです。
なぜイタリア語かというと、1347年ころにベネチアあたりにペストが大流行していました。(疲れるから多少割愛。)その時、「海外からやってくる船がペストを持ってくる」ことに気付いたベネチア共和国が、「ペストの潜伏期間と思われる」「40日間」、船から下船することを禁じた。という故事に由来しているそうです。
(40日間乗組員が誰も発症しなければ、下船が許可された。そうすることでペストが入り込むことの予防とした。)