産婦人科女医の独り言

つぶクリ院長のつぶやきです。ためになる保証はありません。

こんな時は、受診して頂きたい!

産婦人科は、他の診療科に比べて特殊だと言われています。

 

その理由は、

お産(新しい生命が生まれるのだ!)を扱うことと、

女性しか診ないこと、などに加えて、

他の科は「死なないように」「より健康的に生きる」ことを目標にしているのに対して、

産婦人科は上二つに加えて「妊孕能(妊娠できる能力のことね)を損なわない」「月経のトラブルを減らして、QOL(生活の質)をあげる」ことも目標にすることが多いのです。

さらに

産婦人科は、受診しづらい科だと思います。

 

診察受けるには、

パンツ脱がなきゃいけないし、

それに加えて、

開脚しなければいけない(いわゆる、「股をひらく」ね)。

 

だから、25歳以下の来院患者に「産婦人科を受診されたことはありますか?」と聞くと、

「ありません(今回が初めてです)」と言われることが、かなり多いです。

 

その気持ちは分かるのですが、

「こんなになるまで放っておいて・・・もっと早く受診すれば良かったのに。」

と思うことが時々あります。

なので今日は、

『こんな症状の方は産婦人科を受診して欲しい!受診しろ!』という例をお教えしたいと思います。

 

1、生理痛が重い

痛みを我慢できる力には個人差がありますが、受診を勧める目安として、

「会社・学校を休んだこと(または遅刻・早退をしたこと)がある」

ということを挙げておきます。

受診して、病気がなくても安心できると思いますし、

もし病気があったら早めの対応ができますからね。

 

2、生理が多い

「生理の量ってワカンナーイ」と思われるかと思います。「多い」目安としては、「夜用ナプキンを昼間も使う」「夜、ナプキンを取り替えるために一回以上起きる」などがあります。

その他にも、友人と話していて、「あれ?なんか多いかも?」と思ったら、それは多いケースが多いですよ。

 

3、痒みがある

これ、一番言いたいケースです。

「売っている薬を一ヶ月塗ってました。塗った時はちょっと良くなるけど、治りきりません」という方がたっっっっくさんいらっしゃいます。

それ

我慢し過ぎだって。

受診を勧める目安は、「お手持ちの薬を一週間塗っても痒みが治りきらない」です。

「効かない薬を塗り続ける」+「自分で掻いてしまって」=お下がひどい状況になってから受診・・・ですと、治るのも相当時間がかかりますことよ。

あと、「痒い(またはおりものが多い)のに、おりものシートを使い続ける」というのもナンセンスなことを付け加えておきます。

 

4、不正出血がある

不正出血とは、生理以外の出血のことを言います。

もとから生理不順だったり、

更年期などで生理不順の方は、その判断が難しいのですが、

上記の症状(不正出血・月経不順)があるかたは、子宮がん検診をお勧めします。

「去年受けたから・・・(きっと大丈夫よ。)」と思う方!

「去年の私」は、「今の私」とは違うのです!

3-6ヶ月以内に子宮がん検診を受けていなければ、受診をお勧めします。

 

5、生理不順

正常な生理周期は、24~38日です。(「生理周期」とは、生理初日から次の生理初日までの日数のことを言います。)

それ以外は「生理不順」です。

ただし、受診の目安は「生理周期が90日以上または23日以下」です。

その際、BBT(基礎体温)のグラフを記録して持参して頂くと、重要な情報になります。

 

すべて婦人科の話になってしまいましたが、妊娠したらみなさん産婦人科にかかると思うので、ここでは割愛します。

 

「妊娠したかな?」と思ったら、または妊娠反応をご自分でやって陽性が出た方の受診は、「生理が遅れてから1週間後」をお勧めします。

あんまり早く受診しても、「子宮内妊娠が確認できない」ため、「子宮外妊娠の可能性がある」という、聞きたくない話をされちゃうよ~

(なので当院では、「生理が遅れてから1週間後」≒「妊娠5週くらい」以降の受診をお勧めしています。)

 

皆さん、この記事読んで、

手遅れにならないうちに受診してくださいね~~~

 

おまけ~今月のコバ院長~

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私も、気をつけないと・・・っていうか、夏太りしたの。(泣)