産婦人科女医の独り言

つぶクリ院長のつぶやきです。ためになる保証はありません。

老いる、老いてく。

(タイトルは、福山●治の歌をアレンジ。)

皆さま、猛暑の毎日 いかがお過ごしですか?? (^^)/~~

ちょっと前になってしましましたが、
NHKの特集で、「卵子の老化」について取り上げられて話題になっていましたね。

その中や、その後のアンケート(by NHK?自信ありません)で、

『年齢があがると妊娠しづらいなんて知らなかった。

誰も教えてくれなかった(怒)』的な意見が出ていました。

えー

うそ===


嘘でしょぉ〜〜 

(~o~)/



だって、
ちょっと考えれば分かるじゃない。

十代の頃に比べて二十代は疲れやすくなるし、
三十代はシミもしわも増えるし、
四十代は火照ってくるし、
五十代はあがってくるし・・・
(註・多分に個人差があります。)

桃井かおりさんもおっしゃっていました。「二十代はいいのよぉ〜〜」)

そりゃぁね、
頑張れば、シミや皺も薄くなるし、
鍛えたら十年前よりも体力増強!ってなりますよ。

ただね、

それには限度があるの。

染めても、白髪は生えてくる(しかも増えてくる)し、
同じように鍛えても、去年と比べると回復はしづらくなる。

それと同じことです。

卵子は老化します。

それは、他の臓器と同じことです。

そして、

鍛えることはできません。

骨盤体操をしたら、子宮脱は軽くなるかもしれませんが、

卵子は若返ったりしません。

質・量ともに低下してゆく一方です。

なので

妊娠を考えるならば 一年でも早く考えて下さい。

(↑ ・・・私が言うことでもないですが (^_^;)
(また、排卵障害がある方でも、若いうちに治療したほうが反応がいいいのです。)


医学は発達していますが、
こと妊娠・出産に関する領域は、まだ未知の部分が多いのです。

あとこれは妊娠してからの話になりますが、
近年の「妊婦の高齢化」に伴って、
「ハイリスク妊娠」が非常に増えています。

しかし、ハイリスク妊娠を網羅すべき周産期医療に携わるべきスタッフ(医者だけではなく。)や医療設備はまだまだ足りていない地域もあるのが現実なのです。

ありていに言うと、「40歳になってから周産期センターでお産をする」よりも、「30歳で開業医で産む」ほうが100倍安全なのです。
(数字に根拠はありません。念のため。)


こんなことを書いたきっかけは、「卵子の老化」報道もありますが、
最近しみじみ体調の変化を感じているからです。(すなわち、老化!)

昔より飲み食いできなくなったのに、
体重は減らない・・・(むしろ増えている。)

ああ
二十代の研修医の二の腕がマブシイ・・・(←おっさん・・・)


人生も、折り返し地点を過ぎた(おそらく。)から、これからは尊敬するあの先生のように仕事をしよう。

尊敬する・・・

ケーシー高峰先生のように。