○○の限界。
こんにちは。
うっかり、更新が滞ってしまいました。でも、たまに更新したほうがありがたみが・・・無いか (^-^;
今日は、検査の限界について書こうと思います。
皆様、ぴんと来ないかもしれませんが、病気を100%正しく診断できる検査はありません。
現在問題になっている「新型コロナウィルスのPCR検査」は、「正診率が60-70%くらい」と言われています。(最新のデータではないです。初夏のころの情報より)
ここで、「正診率」とは、二つの要素があります。専門用語でいうと、「感度」と「特異度」と言います。
感度=「本当にその病気にかかっている人」を、「陽性と正しく判断できた割合」のことを言います。
特異度=「その病気にかかっていない人」を、「陰性と正しく判断できた割合」のことを言います。
どちらも、ある程度高率(>60%くらい?)でないと、検査としては意味がありません。
例えば、「特異度が高いけど、感度はとても低い検査」だと、「偽陰性」(本当は陽性なのに陰性という結果になってしまうこと)が多発します。 例えば、
『○○という病気の検査を受けたけど、陰性だった。俺は元気だヤッホー!』と言って、多少の体調不良があっても病院に行かない人が出現する可能性があるというわけです。
(ちなみに新型コロナの場合、この偽陰性さんが移動して、ほかの人にうつしてしまった例が複数報道されました)
その逆に、、「感度は高いけど、特異度がとても低い検査」だと、「偽陽性」(本当は陰性なのに陽性という結果になってしまうこと)が多発します。 例えば、『○○という病気の検査を受けたけれど、陽性だった。がっくり』ということで、受けなくてもいい精密検査を受ける=お金や時間の無駄。ということが起こり得るのです。
この「100%ではない正診率を上げる」ために、「医師の診察・判断」(「見立て」と言ったほうがわかりやすいでしょうか)があるのです。
婦人科で言えば、問診(どの科でも重要!)や内診により、「○○と言う病気を疑って」、「◎◎という検査」をするわけなのです。
だから、嫌でしょうけれど、病気を疑ったら受診して内診を受けてください。
以上の理由で、「検査結果が大丈夫だったから、私は大丈夫(健康)なんだ!」と盲信することは危険です。
検査結果は「100%の正診率はない」のでありかつ、「将来の健康を保証するものではない」のですから!!!
ちなみに、子宮頸がんの正診率は70-90%(検査方法や報告者によって差がある)、
子宮体がんの正診率は90%(産婦人科ガイドライン2020より)
です。
なので、「不正出血」や、「いままでなかった過長月経や過多月経」があればそして半年~1年以上婦人科受診していなかったら、早めに受診して欲しいなあ・・・と思うわけです。
『去年の子宮がん検診が問題なかったから大丈夫』というのは、ちょっと危険なのです。
話がちょっとずれますが、日本の保険点数(わかりやすく言うと病院で払う料金のことです)は、この「診察料=医師の見立て料」が不当に安く設定されている。。。。と私は思っています。
病院行くと高いお金がかかるじゃない!?と思っているそこのアナタ! 会計時にもらった「診療報酬明細書」をよおく見てみてください。
ざっくり言うと、「初診・再診料」が、前述した「医師の見立て」料です。
高いのは、「検査料」や「薬代」ではないですか?
検査料は、患者さんから頂いても、それは検査会社に払うべき料金です。
「薬代」は、その名の通りお薬の対価です。当院のように院外薬局の場合は、患者さんが薬局で払います。
日本の場合、高いのは「検査料金」や「薬代」と言われています。
3割負担の人の初診料が、1000円カット以下です。
そして同 再診料は、素うどん一杯以下です。
こんな国は、どこを探しても日本だけですよ!!
長年かけて手に入れた知識と技術料を、もっと評価して欲しいと、心から願っております。
堅い話になりましたが、ではここでお待ちかねのコバ院長改め、コバの海関が登場です!
(分からない人は、ネットで調べるか、お父さんやお母さんに聞いてね!)