産婦人科女医の独り言

つぶクリ院長のつぶやきです。ためになる保証はありません。

そろそろ、本気でやばいことになりつつある気がする・・・話。

先週の土曜日の外来は、そこそこ空いていました orz.

はっ!

ま、まさか、

近所の「巨大ショッピングセンター」に来ていた、「あのお方」のせいでは・・・?

(熊本の物産の宣伝に、ご来玉! マメだ・・・マメ過ぎるよ、くまモン宣伝部長。(T_T)/~~~)


左は、さいたま市のキャラクター・ヌゥ。右は、うなこちゃん。「さいたま観光大使」で、さいたまの名物・うなぎをモチーフにした、故・やなせたかし先生の作。製作費を払ったのかはアイドンノウ。


話変わって・・・先日の話です。

旧職場(総合病院です)でフラフラとしていたら(いや、一応仕事あがりにね)、数人の先生(産婦人科です)に、

「この間はすみませんでした」と、言われました。

一介の開業医である私が、何故に総合病院の産婦人科医に謝られたかというと、昨年末に以下のようなことがあったからです。


昨年末のこと・・・仕事納めの日に、いつも通り外来診療を行っていました。

あと数人で今年も終わり♪と思っていたところに、彼女はやってきたのです・・・しかも歩いて・・・

すごいことになってる女性が・・・

「すごいこと」とは、何かって??

「ピー」から「ピーピー」が「ピーピーピー」しちゃってる!という重患です。

(分からなくてすみませんねぇ・・・何せ、こちとら「守秘義務」というものがあるので。想像と妄想で、我慢して下さい。)



緊急入院だ!! (゜o゜)/~~



ばっ!



うちは、無床診療所だった!!


転院だ!!

どこに??

ここからが、問題です。

その日は、大きな病院は既に年末休みに入っていました。

とりあえず、市内の大きな病院に転院依頼の電話をかけました。

こちらが医者といえども、向こうの当直医に話が通じるまでには、たくさんの関門があります。

そりゃもう「400mハードル走」よりもちょっと多いくらいのハードル数です。

ざっと説明すると、以下のようです。

  
 代表の電話番号にかける

→ 名乗って、用件を言う

→ 待たされる

→ (たいてい)病棟看護師が出る

→ 用件を言う(先ほどよりは細かく説明)

→ 「先生をお呼びしますのでお待ちください」と、言われて待つ

→ 待つ。向こうの状況によっては、結構待つ

→ 当直医が出る→用件を言う。この時すでに三回目。(仕方ないか。)

→ 「病棟(またはope室)の状況を確認しますので、折り返しお電話します」と言われて電話を切る

→ 待つ。

→ 電話が来た!「申し訳ありませんが・・・かくかくしかじかで、お受けできません」または「お受けしますので、患者さんのお名前と生年月日を・・・」


・・・分かって頂けると思いますが、上記のやりとりを行うと、だいたい10分前後かかります。

ここで、断られたら、次の病院と同じような会話を繰り返す訳です。


話は戻りまして、「すごいことになってる女性」。

まだ、外来患者さんが数名残っている時間にご来院。


『早く、この人を高次医療機関に紹介しなければならない』


かつ、


『他の患者も診察して・帰さなければならない』



という、無理難題をかかえてしまった訳なのでした。

どうする?私。

結局・・・「依頼の電話をかける合間に、外来診療をする」。という、 孫悟空並み の技をしたのでした・・・・

っていうか、 孫悟空の毛 が欲しかったよ。

それも大変だったのですが、何せ「大きな病院は、既に年末休みに入っている時期」。

通常の日・時間と違って、どうしたって大病院のパフォーマンスは落ちます。当たり前ですよね、当直医はどこの病院でも一人(例外はあるでしょうが)しかいませんから。

その日の、私の戦歴。

A病院 ×
 理由)緊急opeが終わって(患者の容体も安定していない)、次の緊急opeも決まっていて、さらには病棟で急変があり

B病院 ×
 理由)ICUにいる重症患者が安定していないので無理

C病院 ×
 理由)元から、緊急を受ける病院ではなかった・・・*(凡ミス)(T_T)

D病院 ×
 理由)分娩がたてこんでおり、帝王切開になりそうな人もいるから

E病院 ×
 理由)病棟がマジで満床。ちなみにすごい頑張ってくれたけど、「やっぱり、どうしても無理です・・・」と。更には、私が依頼してる間にも、あちこちからガンガン搬送依頼が来ていた

(旧職場は、上記の中のひとつです。急患依頼を断ったので、「すみませんでした」と言って下さったのでした。)


・・・この時点で、転院先を探し始めてから約1時間が経過。
他の患者さんは、まだ数名残っていました。

結局、ちょっと遠くの病院が受けてくれたけど、久しぶりに慌てました。

ありがとう、○○病院(の、産婦人科当直医)。
「他にも救急車受けちゃったから、お待たせするかもしれません」って言ってたよ。

これが、埼玉県の休日の現状です。
一年中で、数少ない特殊な日だったのかも知れないけど、





やばくない?



と、心から思った日ですた。

24時間、365日、医療を受けられるのは 日本の素晴らしいところだと思います。

が、

医療にも、限界があります。
特に、上記のように、休日の医療体制はギリギリ・手一杯の状態です。
それは、現場の先生方の努力だけでは間に合わないレベルの話です。


「『夜間休日に、発病しないようにしましょう。』


と言いたい!!!」


と、心から思った年末でした。

(・・・どんな結論だ。)



追;もちろん、現状のような綱渡りの医療状況ではまずいと思っています。

それを解決する策は、

策は・・・


・「現場の医師数を増やす」(県医師会も、活動してます。実は。)・・・特に「(産休・育休明けの)女医の再教育・再雇用」?

・「コンビニ受診をやめる」・・・(私が困った日は、コンビニ受診は関係なかったですが)

・「病気にならない」←??? (゜_゜)
 ;「検診を受けましょう」というのと同義???

などでしょうか。。。。う〜ん 「絵に描いた餅」だなぁ。。。


「対人口当たり、日本で一番医師数が少ない県」の地位を守り続けている埼玉県であり、いろいろな対策も講じているはずですが・・・

産婦人科に関して言えば、「前よりももっとやばいこと」になっている気がした院長でした。

うまくまとまらなかったけど、

お腹が空いたから、今日はここまで!



*一部の、熱狂的なファンに贈る、コバ院長フォト

(・・・微妙なとこもってきたね。)

う〜ん なんと言うか、、、、


怪しい。 


怪しさ全開。